3月8日 (サンフランシスコ→アトランタ→)ニューオーリンズ





<第一日>


 南部特有の暖かい日差しの中、気持ちの高ぶりを抑えながら、筆者はここルイジアナ州・ニ
ューオーリンズに「東部アメリカ縦断旅行」の第一歩を記すこととなりました。しかし、昨夜のう
ちにサンフランシスコを飛び立ち、そして今朝方アトランタにてトランスファーしたため、気持ち
とは裏腹に初日から少々お疲れ気味です。





 まずは空港からシャトルバスに乗り、街の中心部を目指します。この街は「フレンチクォータ
ー」と呼ばれる19世紀の南ヨーロッパの雰囲気を色濃く残している地域に見所が集中していま
す。


手始めに向かったところが、ジャクソン広場。ここはかつて18世紀前半、当時この地を治めて
いたスペインによって練兵場として造られました。今日では多くの市民の憩いの場となっていま
す。


 この広場の中央に位置するのが米英戦争の英雄、アンドリュー・ジャクソン将軍。今日でも米
国民の人気は高く、20ドル札にその姿が刷り込まれています。






フレンチクォーターにて




合衆国 第7代大統領・A.ジャクソン




 この広場に面して立つ教会風の建築物が聖ルイス大聖堂。美しい3つの尖塔を持つこのカテ
ドラルは1849年に建てられたものです。


 さらにそのすぐ横に位置するのが「カビルド」と呼ばれるかつてのスペイン政庁。内部はルイ
ジアナ州立博物館として貴重な資料が数多く展示されています。その中でも、かつてスペイン
を破って一時期この地を治めていたフランス皇帝・ナポレオンの「デスマスク」が、特に筆者の
目を引きました。






聖ルイス大聖堂




ナポレオンのデスマスク!



 ルイジアナの歴史に触れた後は、この地方の観光の目玉の一つとなっているミシシッピ川の
リバークルーズを楽しみます。


 「トム・ソーヤ」の時代を髣髴とさせるスチームシップ「ナッチェス号」に乗り込む筆者。やは
り、ミシシッピは大河と呼ぶに相応しいです。大型のタンカーが苦もなく往き来していましたが、
日本ではまず考えられない光景ですね。川面を伝う南部特有のやや湿気を帯びた風もまた、
心地良かったです。


 初日から、アメリカの歴史を垣間見、かつまた雄大さを実感することができ、十分な満足感で
一杯になりました。






スチームシップ「ナッチェス号」




川とは思えない大きさのミシシッピ川