3月19日 ボストン(→サンフランシスコ)





<第十二日>


 ニューオーリンズに始まったアメリカ縦断旅行もいよいよ今日が最終日。ユースをチェックア
ウトし、ヘインズ駅より地下鉄に乗ります。


 ノースステーション駅で下車し、徒歩にてチャールズタウンブリッジを渡ります。着いた所がネ
イビーヤード。かつて海軍の施設があったこの場所は近年、ヒストリカル・パークとして整備さ
れ、ボストンを代表する観光名所のひとつとなっています。


 まずは観光案内所へ向かい、周辺の地図をゲット。併設されているパビリオンでは、独立戦
争を再現した映画が上映されていました。その後、ドックに係留されているアメリカ最古の戦艦
「コンスティテューション」へ。1797年竣工というこの艦は、内部が見学できるようになっていま
す。1812年の米英戦争においては、カナダ沖やブラジル沖にて数で上回るイギリス軍を打ち
破る大戦果を収め、また何発砲弾を受けてもビクともしなかったことから、英海軍をして「鉄の
横腹を持つ彼女」と言わしめたそうです。


 そして何よりも驚きなのは、この艦がまだ航行可能であるということです。毎年、7月4日の独
立記念日には3時間の湾内クルーズに出るとのこと。如何に基本設計がしっかりしていたかが
分かろうというものですね。





 コンスティテューションのすぐ隣のドックには、かつて第2次大戦で活躍した駆逐艦「カシン・ヤ
ング」が係留されていました。


 1943年竣工のこの艦は太平洋戦域の日本軍に対して大きな戦果を上げました。1945年
4月の沖縄戦においてはレーダー監視船として味方の攻撃に大きく貢献するものの、カミカゼ
の特攻を受けマストを損傷。7月にも同じくカミカゼの攻撃によりメインデッキに大きな損害を被
りました。


 戦後すぐに退役し、修復を受け、今はここボストンにて静かな余生を送っています。






最古の戦艦「コンスティテューション」




駆逐艦「カシン・ヤング」



 ネイビーヤードをあとにし、2日前同様フリーダムトレイルを歩きます。そしてこのトレイルの
終着点である「バンカーヒル記念塔」に到着。


 1775年6月17日、かの独立戦争においてイギリス軍と大激戦を繰り広げたこの地には高
さ約67mの記念塔が建っています。1階部分は小ぢんまりとした博物館になっており、ここで
の戦闘のジオラマなどが展示されていました。150年以上も前にできたこの塔にはもちろんエ
レベーターはありません。300段近い階段を、汗ダクになりながら登っていきます。


 しかし、息も切れ切れになりながら辿り着いた塔頂部から見るボストンの眺めはまた格別でし
た。





 その後は再び地下鉄に乗りローガン国際空港へ。ダウンタウンからも程近く交通至便の好
立地に位置するこの空港は、その名の通り国内線のみならず、多数の国際線も乗り入れてい
ます。チェックインを済ませ、機内へ。この旅を通じて得た多くの体験とともに、筆者を乗せた
飛行機は、大空高く舞い上がっていきました。






バンカーヒル記念塔