6月20日 (東京→)シアトル





<第一日>


 約9時間に及ぶ太平洋横断飛行を終え、筆者を乗せたノースウエスト機は、ワシントン州・シ
アトル=タコマ国際空港へ到着しました。


 梅雨空のどんよりとした日本の天気とは180度違った素晴らしい快晴の下、今回の旅の第
一歩を踏み出します。見知らぬ土地での旅のスタートには、多少の不安がつきものですが、筆
者にとっては「勝手知ったる(?)」アメリカ。不安よりも、約2年ぶりに「帰ってきた」という懐かしさ
がこみ上げてきました。


 入国手続きを済ませ、バスの停留所に向かいます。待っていた路線バスに乗り込み、ダウン
タウンに向かうインターステートハイウェイ5号線を北上。アメリカの場合、大都市はどこでもそ
うなのですが、ここシアトルもご多分にもれずかなりの交通量でダウンタウン周辺はいつも混雑
しています。




路線バスでダウンタウンへ




スペースニードルはシアトルの顔



 約30分の後、ようやくダウンタウンに到着しバスを下車。2nd Ave.沿いに建つユースにチェ
ックインを済ませました。旅装を解き、まず向かったところがスペースニードル。円盤型の展望
台がついたこのタワーは「シアトルの顔」とも言える存在です。入場料は16ドル(約2000円)とや
や高かったのですが、展望台からの眺めは抜群。数多の高層ビルを中心としたダウンタウン
の様子はもちろん、西に広がるオリンピック国立公園の素晴らしい山並みや、南に聳えるマウ
ント・レーニエ(4392m)の美しい山容を望むことができます。




オリンピック国立公園の山並




マウント・レーニエの姿も



 見事な展望を思う存分満喫したあとは再びダウンタウンに戻ります。そしてスチュワートSt.と
オリバーウェイに挟まれた狭い一角に建つ、シアトル・マリナーズのチームストアへ。ここではイ
チロー選手を始めとするマリナーズのチームグッズはもちろん、試合のチケットも購入すること
ができます。この日の当日券も買えるのかどうか尋ねてみたところ、OKとの事だったので早速
購入を済ませました。


 その後は食事休憩をはさみ、ウォーターフロント地区へ。エリオット湾に面したこの地域に
は、おしゃれなホテルやショップが建ち並びます。何艘ものクルーザーが係留されている、雰囲
気の良いマリーナもありました。


 さらにそこから歩を進め、シアトル・キングストリート駅へ。ここはアメリカを縦横に結ぶ「アム
トラック」の鉄道駅。教会を思わせるような大きな時計台がシンボルです。今回は駅の見学だ
けでしが、シアトルを基点に、東海岸を目指す列車の旅というのも面白そうだなと思いました。




シアトルのウォーターフロント地区




キングストリート駅



 ここまで来ると巨大なスタジアムが目の前に迫ってきます。NFLの強豪、シアトル・シーホーク
スの本拠地であるクエストフィールドです。


 もちろん今はシーズンオフですが、壁面に選手の姿が大写しされた巨大な写真が飾られてあ
ったり、今シーズンのスケジュールが掲げられてあったりと、スタジアムが持つ独特のアトラク
ティブな雰囲気に心が躍ってしまいます。 



クエストフィールド




シーホークスの選手写真


 そして、このクエストフィールドのすぐ隣りに建
つ鉄骨作りの無骨な外観の建物が、お目当て
のセーフコフィールド。言わずと知れたマリナー
ズのホームグラウンドです。球場の周りには、
まだ開門前にもかかわらず多くの人だかりが
出来ていました。


 筆者も試合のパンフレットを購入し、列に加
わります。そしてPM5時、開門と同時に入場。
球場内ではマリナーズと、この日の対戦相手で
あるピッツバーグ・パイレーツの選手たちが練
習に汗を流していました。





セーフコフィールドに到着


 マリナーズには日米両球界の年間最多安打を更新したイチロー選手(元オリックス)の他に、
強肩強打の城島捕手(元ダイエー)という日本人選手がいますが、一方のパイレーツにも日本
球界で173勝を挙げた桑田投手(元読売)が在籍しています。

 また、この日はアメリカン・リーグ西地区で2位につけるマリナーズと、ナショナル・リーグ中地
区に籍を置くパイレーツの対決「インターリーグ(交流試合)」ということもあって、いつもより多く
の注目が集まっていました。




気軽にサインに応じる桑田投手




パイレーツの主砲・ベイ選手




試合前、打ち合わせをする城島捕手




3回裏、イチロー選手が内野安打で出塁



その試合をここにリポートします







 ★イチロー魅せたその俊足!


 ★城島決めたタイムリー!


 ★ウィーバー完封初勝利!


 ★セクソン&イバニエス アベック弾!

Major League
パイレーツ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
マリナーズ 0 2 2 1 0 0 1 1 × 7


 <バッテリー>


  パイレーツ:マホーラム(3勝10敗)、コーブ……パウリーノ


  マリナーズ:ウィーバー(1勝6敗)……城島


 <本塁打>


  セクソン12号、イバニエス5号(以上マ)




パイレーツ
NAME
AB
H
RBI
BB
5
バティースタ
3
0
0
1
8
マクラウス
4
0
0
0
4
サンチェス
4
2
0
0
3
ラローシュ
4
0
0
0
7
ベイ
3
0
0
1
D
ネイディ
3
0
0
0
9
ドーミット
3
0
0
0
2
パウリーノ
3
1
0
0
6
ウィルソン
3
1
0
0
マリナーズ
NAME
AB
H
RBI
BB
8
イチロー
4
1
0
0
4
ロペス
4
0
1
0
7
イバニエス
4
2
1
0
9
ギーエン
3
0
0
1
2
城島
4
3
1
0
5
ベルトレイ
4
1
1
0
3
セクソン
4
2
2
0
D
ビドロ
3
1
0
0
6
ベタンコート
3
1
0
0


<ゲームダイジェスト>

 マリナーズがウィーバー、パイレーツがマホーラムという両先発で始まったこの試合。


両者とも今季は不調にあえいでおり、この試合も打撃戦が予想された。





 そんな中、まず先手を取ったのはマリナーズ。2回裏、城島の内野ゴロを相手三塁手が
悪送球し、一死二塁のチャンスをつかむと、続くベルトレイの左前打で本塁を突いた城島に
外野からの返球が当たるハプニングがあり、先制。さらにボールが転々とする間に三塁へ
進んだベルトレイを、セクソンが内野安打で迎え入れ、この回二点。





 こうなるとマリナーズの勢いは止まらない。続く3回裏にはイチローが自慢のスピードを存
分に見せ付けた。しぶとく内野安打で出塁するとワイルドピッチと盗塁で三塁へ進み、ロペ
スのサードゴロの間に楽々とホームイン。さらにイバニエスのヒットなどでつかんだ二死一・
二塁のチャンスに城島がレフトへ4点目となるタイムリーツーベースを放ち、序盤で試合の
主導権を握った。





 追撃の手を緩めないマリナーズは、その後も長打攻勢でパイレーツを突き放す。4回裏、
悩める大砲・セクソンがレフトへ12号アーチをかけると、7回裏にもビドロの右中間ツーベー
スを足がかりに一点を追加。さらに8回裏にはイバニエスがライトへ特大の一発を放り込ん
で試合を決めた。





 マリナーズ先発のウィーバーはベテランらしい絶妙なピッチングを披露。時折走者は出す
ものの、後続を断つ粘りのピッチングでパイレーツ打線に決定打を許さない。疲れの見えた
最終回こそ一死二・三塁のピンチを迎えたものの何とか無事に切り抜け、うれしい今季初勝
利を見事なシャットアウトで飾った。





 一方のパイレーツは先発のマホーラムが4回までに5点を失う大乱調。頼みの打線もウィ
ーバーの前にわずか四安打に封じ込められた。尚、注目の桑田に登板の機会は訪れなか
った。








 野球観戦を終え、スタジアムを後にします。
既にPM9時半を回っているのですが、高緯度
のシアトルはまだ「夕暮れ時」といった感じで
す。
 ダウンタウンに戻り、3rd Ave.よりバスを拾
って高級住宅街のクイーンアンヒルへ。この辺
りまで来るとあたりはすっかり闇に包まれてい
ました。バスを降り、ケリーパークという小さな
公園に向かいます。
 そこからは、妍を競うかのような高層建築群
の見事な夜景が広がっていました。スペース
ニードルを中心とした光のイルミネーション
は、あたかも近未来の大都市を思わせます。
まさに、充実した一日を締めくくるに相応しい、
絶景のスポットでした。



暮れなずむシアトルの街並

 


近未来を思わせる見事な夜景






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