10月12日 (東京→大阪→ドバイ→)アンマン





<第一日>


 前日の夜に、羽田空港より関西国際空港、そして関空よりドバイ国際空港と飛行機を乗り継
いできた筆者はこの日の午前、3本目のフライトを終えようやくヨルダンのアンマン・クィーン=
アリア空港に到着しました。


 日差しこそあるものの空気がカラッとしており、日本の真夏のような不快感は全くありませ
ん。それどころか快適な気候のようにも思えました。しかし行き交う人々がまとった独特の民族
衣装を見ていると、やはりここが自然条件の厳しいアラブの地なのだということを意識させられ
ました。


 空港よりバス、タクシーと乗り継ぎ、予約をしておいたホテルに午後1時ごろチェックイン。こ
のホテルには日本人旅行者が多く訪れるようで、館内にはあちこちに日本語の注意書きが貼
られてありました。


 ホテルのクラークに、何とか今日中に死海に行きたいのだと告げると、他の宿泊客で同行者
を探してくれた上にタクシーの手配までしてくれました。


 この日筆者と同行することになったのはスイスから来られたというご婦人。午後3時ごろホテ
ルを発ちました。タクシーが、まず向かったところがネヴォ山。ここはかの「旧約聖書」におい
て、預言者・モーゼが約束の地、カナンを目指しながら息を引き取った場所と記されています。
山頂にはいくつかのモニュメントや、4世紀に建てられたという教会の跡などが残っていました。
また、ここから眺めるワディと呼ばれる枯れた谷の光景も大変印象的です。



モーセ終焉の地・ネヴォ山




枯れた谷・「ワディ」



 ネヴォ山をあとにし、再びタクシーに乗り込みます。車は不毛の大地にトレースされた舗装道
路をグイグイと下り始めます。暑い!高度が下がるにつれ、気温が逆に上がってきたようで
す。


 途中、銃を持ったヨルダンの国境警備隊の兵士が立つチェックポイントを通過し、ようやく死
海に到着。ここは世界で最も標高が低い地点と言われ、何と海抜マイナス400mに位置すると
いいます。そのため一年中温暖でほぼ毎日のように海水浴客が訪れるそうです。尚、死海とい
う呼び名ですが、塩分濃度が高いために生物が全く棲めないことよりつけられたそうです。しか
し今日ではその不気味なネーミングとは裏腹に、ビーチサイドにプールやレストランなどが設け
られ、あたかも高級リゾート地のような雰囲気を醸し出していました。



死海のビーチにて




プールも併設されている



 筆者も水着に着替え、海水浴を楽しみます。と言っても仰向けになって水面に寝るだけでO
K!ここは塩分濃度が30%近くあるためどんなカナヅチでも浮くことができるのです。逆に平泳
ぎなどをしようと試みると、足の部分が浮いてエビゾリ状態になってしまい、うまくいきません。


 死海での浮遊を楽しんだ後は、併設されたプールでひと泳ぎ。リゾートでのひと時を楽しみま
した。そして午後6時過ぎ、プールから上がった筆者はカメラを手にして西の方角をファインダ
ーに捉えます。サンセットタイムが訪れようとしていました。


 はるか西の彼方には、モーゼが目指した約束の地・カナン(イスラエル)に沈みゆく太陽が、
最後の輝きを放とうと、実に美しく、赤々と燃えさかっていました…。




モーセが目指した約束の地・カナン(イスラエル)に夕日が沈む・・・






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