3月10日 ニューオーリンズ→





<第三日>


 早朝にユースを発ち、タクシーでアムトラック・ユニオン旅客ターミナルへ。ここからはいよい
よまる一日がかりの北米大陸鉄道旅行の始まりです。


 駅に少々早めに着いたので待合室にて地図を見ていたところ、地元の警察官に職務質問を
受けました。しかし、そこは3ヶ月に及ぶ留学の成果を如何なく発揮し(ホントかよ)、無難に切
り抜けます。俗に先進国と呼ばれる国は、我が日本もそうですが、諸外国からの不法就労者
が後を絶たない様です。





 時間が来たのでいよいよ車内に乗り込みます。今回筆者が乗る電車は「クレセント」号。これ
はニューオーリンズのニックネーム "クレセント(三日月)シティ"に因んで名付けられたとのこ
とです。ちょっと贅沢をしてコンパートメント(個室)を押さえたのですが、ここがまた面白かった
です。座席の横には小さな洗面と便器が設置され、頭上には上下移動式のベッドが付いてい
ました。さらに、共用スペースにはシャワールームも備えられています。


 日本でも寝台車はありますが、ここまで個室として完備されているものは北斗星ぐらいなもの
ではないでしょうか。


 筆者を乗せた列車は一路北東へと走り出します。するとすぐに、車窓の向こうに巨大な湖が
見えてきました。ポンチャートレイン湖です。総面積1,630平方kmは琵琶湖の約2.5倍。アメリ
カのスケールの大きさを感じずにはいられません。






大陸横断鉄道・アムトラック




巨大なポンチャートレイン湖





座席の横には便器が




頭上には上下移動式のベッド



 しかし、一日がかりの電車旅は退屈でもあります。音楽を聴いたり、仮眠をとることぐらいし
かすることがありません。そのうち日も暮れ、夕食の時間になったのでビュッフェ(食堂車)ヘ。
忙しい日もそうでない日も、筆者の腹時計だけは正確でした(笑)。