3月11日 →ワシントンDC





<第四日>


 車内にて目を覚まします。まもなく8時です。やがて電車はある駅に停車しました。持参した
時刻表と、今自分のいる位置を照らし合わせてみたところ、かなりの遅れが生じていることが
判明しました。


 アムトラックは在来の地方貨物鉄道会社より線路の貸与を受けて運行しているため、貨物線
に遅れが出た場合、時間的に大きく割りを食うことがあります。そういえば昨日、電車がしばら
く止まったままになり、踏切が鳴りっ放しになっていたことがあったのを思い出しました。





 車窓から見える景色も様変わり。温暖な南部の気候と違い、いまだ冬を感じさせるような残
雪が所々目に付くようになって来ました。


やがて列車はアレキサンドリアを過ぎ、ワシントンDC・ユニオンステーションへ。住み慣れた
(?)クレセント号ともここでお別れです。予定では25時間半の旅が、約28時間もかかってし
まいました。


 見所豊富のDCで、筆者がまず向かったところが、キャピトルヒル。アメリカを代表する建築
物の一つである連邦政府議事堂がひときわ目を引きます。


 さらに、ナショナルモールと呼ばれる綺麗な芝生の広場の向こう側にはDCの象徴とも言える
ワシントン記念塔が聳え立っていました。






連邦政府議事堂




ワシントン記念塔



 また、ナショナルモールを南北にはさむようにして建ち並んでいるのが、世界的にも有名な
「スミソニアン博物館群」。


 なんと10以上もある巨大な博物館の総称がスミソニアンです。また、うれしいことにそれら博
物館のほとんどが入場無料。ここにも超大国・アメリカの偉大さが感じられました。









アメリカ・インディアン博物館にて

 まず手始めに、「アメリカ・インディアン博物
館」に入ります。
 ここは、スミソニアンでも最も新しい博物館
の一つで、2004年にオープンしました。
 遥かな昔より、この地で生活してきた先住
民(インディアン)たちにまつわる展示物が飾
られています。
 学術的に見ても、大変貴重なものばかりで
す。


 次に向かったところが「国立航空宇宙博物館」。ここは、人類の大空にかけてきた夢の歴史
の宝庫といえるでしょう。ダグラスやボーイングの小型機(今日の機体から考えればですが)や
ロッキードシリウス、ベガといった往年の傑作機も展示されていました。そして、第二次世界大
戦のコーナーには、アメリカのムスタングやイギリスのスピットファイアなどとともに、日本のゼ
ロ戦も飾られていました。そのなかでもとくに筆者の目を引き付けたのがメッサーシュミットMe
262。世界初のジェット戦闘機としてその名を残す名機を、まさかこの目で見られるとは!





 その後は宇宙開発のコーナーへ足を運びます。数々のロケットや人類を史上初めて月に運
んだアポロ11号や月面探索車など、見所は尽きません。しかし、その反面、時間がいくらあっ
ても足りなくなってしまうところが悩みの種でした…。






メッサーシュミットMe262




月面探索車