3月16日 ニューヨーク





<第九日>


 59St.駅より、地下鉄B線に乗ります。そして2つ目の81St.駅にて下車。目の前にはアメリカ
自然史博物館という立派なミュージアムがありますが、ここには入らずセントラルパークへ。


 南北2.5マイル、東西1/2マイルに及ぶこの巨大な公園は、ご存知ニューヨーカー達の憩
いの場所。屋外コンサート場やテニスコート、ボート遊びができる池など、一年を通して様々な
アクティビティーを楽しむことができます。


 この日も、まだ結構肌寒かったのにもかかわらず、犬の散歩をする人や、サイクリングに興
じる人などでそこそこの賑わいを見せていました。






セントラルパーク




メトロポリタン美術館



 西から東へ、ちょうど園内を横切るような格好で歩いたところ、5thAve.に面する地点に出ま
した。そう、この一角にはなんとコレクション数200万点を誇る世界最大級のミュージアム「メト
ロポリタン美術館」があるんです。


 早速入り口でチケットを購入し、館内での着用が義務付けられたバッジを襟につけます。しか
し、これだけ広いとはっきり言ってどこから手をつけていいのか分からないくらいです。


 この時は丁度古代エジプトの特別展が催されていたようで、再現された大きな神殿の周りに
大小さまざまな石造が飾られていました。4千年を超える太古の昔より、アフリカにこれだけ高
度なシビリゼーションが確立されていたことには正直驚きを禁じえません。





 それら以外でも古代ギリシャやビザンチン、メソポタミアなどのオリエント文明、アステカ、マ
ヤといった中南米系文明など、古代のロマンを感じさせてくれる展示物が数多くありました。


 また、絵画部門に目を向けてみてもルノアールやゴーギャン、モディリアーニ、シャガール、


ゴッホ、ピカソなど世界各国の著名な画家たちの作品が惜しげもなく掲げられていました。


 さらに、日本画コーナーにおいては歌麿の浮世絵や狩野派の屏風絵などが筆者の目を引き
ました。


 ほかにも、家具や食器などの調度品のコーナー、中世のヨロイ、カブトなどの武具が展示さ
れているコーナー、古今東西の楽器を集めたコーナーなど、見所はとどまることを知りません。
 市販されているガイドブックにも「館内をくまなく見て回るには最低3日間必要です」などといっ
たことが平気で書かれています・・・。






古代エジプト文明のコーナー




アステカ・マヤ文明のコーナー





ルノアール作 Two Young Girls at the Piano




喜多川歌麿の浮世絵



 クタクタになって美術館を出る頃には、日もかなり傾きかけていました。だが、これはむしろ
丁度良い頃合です。地下鉄に乗り、昨日同様バッテリーパークを目指します。


 そしてフェリー乗り場より、昨日とは異なりスタテン島行きのフェリーに乗り込みます。この船
は市民の渡し舟的存在として位置づけられ、乗船料はなんとタダ!これに乗らない手はないで
しょう。


 彼方には暮れなずむ夕日に映える自由の女神が…。黄昏時のニューヨークもまたいいもの
です。やがて船はスタテン島に着きましたが、そこで降りず折り返しの便にて再びマンハッタン
島に戻ります。


 昨日のエンパイヤステートビルからの夜景に勝るとも劣らない素晴らしいナイトビューが、港
の向こうに広がっていました。






黄昏の女神・・・




洋上から見た摩天楼