6月30日 →モナコ→ニース→マルセイユ





<第三日>


 ふと目が覚めたので時計を見ます。既に午前8時を回っていました。イソイソとベッドを這い
出し、車窓の外へ目を向けます。


 するとそこには地中海・リヴィエラの、紺碧の海が広がっていました。どうやら昨夜の間に遅
れはかなり取り戻せた模様。身支度を整え、降車の準備をします。


 間もなく列車は国境を越え、世界第二の小国、モナコ・モンテカルロ駅のホームに滑り込みま
した。近年改装がなされたと思われるこのホームは新しく、とても近代的な印象を受けます。


 エレベーターを使い、駅の外に出たが日差しが強く蒸し暑いです。おまけに海に向かって歩
いていくつもりが、うっかり間違えて山側に出てしまいました。しかも何とここはフランス。どうや
ら歩いているうちに国境を越えてしまったようです。





 気を取り直し、フォンヴィエイユ地区の大公宮殿へ。かつてハリウッド女優が嫁いだことでも
知られるこの王宮の周りには大勢の観光客が。皆、今からここで始まる近衛兵の交代式を見
るためです。するとやがて純白の制服に身を包んだ近衛兵たちが到着。一糸乱れぬ統率振り
にはただただ感心させられるばかりです。






モナコ大公宮殿




王宮前の近衛兵交代式







モナコ大聖堂

 大公宮殿からは、いかにも南欧の教会と呼
ぶに相応しいモナコ大聖堂などを見学し、コ
ンダミーヌ地区へ。





 ここは大小様々のクルーズ船が係留されて
いるマリーナです。バックには豪勢な高層の
コンドミニアムが建ち並んでいました。



 その景観はまさに世界屈指のリゾートエリ
アと呼ぶに相応しいと思います。



見事なモナコ港の眺め




 また、毎年5月に開催されるF1グランプリの市街地コースを見て周るのもここでの楽しみの
一つ。


 筆者も、初代モナコマイスターと呼ばれたJ.M.ファンジオの銅像や、かつてA.セナやA.プロス
トがシノギを削った国際会議場下のトンネルなどをファインダーに収めました。


 普段、「リッチ」や「セレヴ」とは縁遠い筆者ですが、この日ばかりはわずかながらだがその空
気を感じ取ることができ、満足しました。(^^)






F1ドライバー J.M.ファンジオ




F1の市街地コースとして知られるトンネル



 再び駅に戻り、次の電車に飛び乗ります。わずか20分ほどで、着いた所がニース。ご存知、
南仏を代表する景勝地、コート・ダジュール(紺碧の海岸)の中心都市です。


 徒歩にてビーチへ向かいます。強烈な日差しが照りつけるこの海辺では、大勢の観光客が
海水浴を楽しんでいました。また、プロムナードには高級ホテルやかつての貴族の館が建ち並
んでいます。






高級ホテルが建ち並ぶ




ニースのプロムナード




コート・ダジュール(紺碧の海岸)の中心地・ニースのビーチにて



 ビーチを後にし、サン・ニコラ大聖堂へ。





 ここは1912年に建てられたロシア正教の
教会。



 フランスには珍しいロシアンテイストな外
観が一際特徴的です。



サン・ニコラ大聖堂



 ニースからはフランス自慢の高速列車・TGVに乗って今夜の宿泊地・マルセイユへ。地下鉄
に乗って予約をしておいたホテルに行こうとしたのですが、なにやら異変が発生したため、地
下鉄には乗れずじまい。仕方なく、振り替え運転となったバスにてホテルに向かいます。


 そして、サン・ヴァンサン・ド・ポール教会という由緒正しき教会の裏手にある小奇麗なホテル
にチェックイン。しかし、筆者にはゆっくりする間もなく、「洗濯」というこの日最後の一仕事が待
っていました…。






高速列車・TGV




サン・ヴァンサン・ド・ポール教会