![]() 7月1日 マルセイユ→バルセロナ
<第四日>
出港後しばらくすると、城壁の築かれた小島が見えてきました。イフ島です。実に小さな島で
すが、この島を舞台にして書かれたアレクサンドル・デュマ作の長編小説「モンテクリスト伯」に より、世界中に知られることとなりました。 その物語は、主人公が無実の罪を着せられてこの島に幽閉されるというストーリーですが、
その小説同様、実際に長く牢獄として使われていたそうです。その話を耳にしたとき、筆者は やはり牢獄として使われていたサンフランシスコのアルカトラズ島を思い出しました。 島に上陸し、入城。暗い歴史とは裏腹に、城の屋上から眺める地中海とマルセイユ市街の
美しさは特筆モノです。ここマルセイユもイタリアのナポリ同様、地中海の重要拠点として古くか ら知られています。しばらく海を眺めていたところ、チュニジア船籍の巨大フェリーが、島のすぐ 横をゆっくりと通り過ぎて行きました。
市街散策を終え、マルセイユ・サン・シャルル駅へ。ここからはまた長い列車の旅です。途
中、モンペリエで列車を乗り換え、一路南下。ナルボンヌ、ペルピニャンといったラングドック地 方の魅力的な街をパスし、ピレネーの山並みが迫るスペインとの国境へ差し掛かります。車内 には、パスポートチェックのための係官が入ってきました。
パスポートチェックを終え、列車は再び走り出します。そして日も暮れなずんだ午後九時過
ぎ、ようやくバルセロナ・フランサ駅に到着。地図を片手に、予約を入れておいたユースに向か います。途中、ある通りに面したカフェの前では、テレビに釘付けになっている群集を発見。 ラテンの血が騒ぐらしく、皆ドイツで行われているサッカーのワールドカップに夢中になってい
るのでした。
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