7月1日 マルセイユ→バルセロナ





<第四日>






イフ島に向うクルーザー

 ホテルをチェックアウトし、徒歩にてマルセイ
ユ旧港へ。


 今日は地中海のミニクルーズを楽しもうと思
います。チケットを買い、クルーズ船に乗船。
程なくして船は出港しました。ここマルセイユ旧
港は現在主にヨットやモーターボートのマリー
ナとして使われています。





 港の入り口には南北両側に要塞が築かれて
おり、北側がサン・ジャン要塞、南側がサン・ニ
コラ要塞と名付けられていました。





サン・ジャン要塞




こちらはサン・ニコラ要塞



 出港後しばらくすると、城壁の築かれた小島が見えてきました。イフ島です。実に小さな島で
すが、この島を舞台にして書かれたアレクサンドル・デュマ作の長編小説「モンテクリスト伯」に
より、世界中に知られることとなりました。


 その物語は、主人公が無実の罪を着せられてこの島に幽閉されるというストーリーですが、
その小説同様、実際に長く牢獄として使われていたそうです。その話を耳にしたとき、筆者は
やはり牢獄として使われていたサンフランシスコのアルカトラズ島を思い出しました。





 島に上陸し、入城。暗い歴史とは裏腹に、城の屋上から眺める地中海とマルセイユ市街の
美しさは特筆モノです。ここマルセイユもイタリアのナポリ同様、地中海の重要拠点として古くか
ら知られています。しばらく海を眺めていたところ、チュニジア船籍の巨大フェリーが、島のすぐ
横をゆっくりと通り過ぎて行きました。






イフ城




牢獄として使われていたという城内部





イフ島よりマルセイユ市街を望む




チュニジア船籍のフェリー

 イフ島見物を終え、再び船へ戻ります。


 その後は、島全体がマリーナと言ってもいい
リゾートアイランド・フリウル島を経由し、マルセ
イユ旧港へ帰還。港では新鮮な海の幸が売ら
れている魚市が開かれていました。ここで水揚
げされた魚を使った「ブイヤ・ベース」は、この
地方を代表する名物料理です。


 港付近を散策した後は、旧港の南側にある
丘を登ります。汗ダクになりながら、登りきった
所に建つ巨大なカテドラルがノートルダム・ド・
ラ・ギャルド・バジリカ大聖堂。



 19世紀に建てられたというこの大聖堂は、
地中海の守り神として地元の人々の信仰を集
めてきました。塔頂部に建つ黄金のマリア像
が、実に神々しい光を放っていました。




リゾートアイランド・フリウル島




マルセイユ旧港の魚市場




ノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ大聖堂



 市街散策を終え、マルセイユ・サン・シャルル駅へ。ここからはまた長い列車の旅です。途
中、モンペリエで列車を乗り換え、一路南下。ナルボンヌ、ペルピニャンといったラングドック地
方の魅力的な街をパスし、ピレネーの山並みが迫るスペインとの国境へ差し掛かります。車内
には、パスポートチェックのための係官が入ってきました。






モンペリエでローカルな列車に乗り換え




スペインとの国境へ向かう・・・



 パスポートチェックを終え、列車は再び走り出します。そして日も暮れなずんだ午後九時過
ぎ、ようやくバルセロナ・フランサ駅に到着。地図を片手に、予約を入れておいたユースに向か
います。途中、ある通りに面したカフェの前では、テレビに釘付けになっている群集を発見。


 ラテンの血が騒ぐらしく、皆ドイツで行われているサッカーのワールドカップに夢中になってい
るのでした。






バルセロナ・フランサ駅にて




街頭テレビに見入る群集