6月24日 バンクーバー





<第五日>


 昨日から投宿しているここバンクーバーのユースで、筆者はユニークなルームメイトに出会い
ました。


 一人はオージーのアンドリュー氏。以前シドニーでエコノミストをしていたという彼は、世界の
経済情勢について詳しく、最近の円安・ドル&ユーロ高がもたらす影響などについて、彼と有意
義なトークをすることが出来ました。


 もう一人は台湾人のライアン君。学生の彼は何と自転車でここバンクーバーを出発し、北米
大陸を横断してアメリカ・ニューヨークを目指すとの事。総距離6000km、期間にして3ヶ月を擁
するという彼の壮大な計画は、聞いているだけで胸がワクワクします。道中の彼の無事を祈り
たいですね。






ライアン君(左)とアンドリュー氏(右)




自転車で北米横断を目指すライアン君



 午前中降り続いた雨も上がり、ユースから程近いウォーターフロント駅よりスカイトレインに乗
ります。この電車は運転士のいない新交通システムを採用しており、1986年のバンクーバー万
博の開催を機に開通されたそうです。揺れの少ない快適な車内に身を預けること約20分。バ
ンクーバーの南東にあるニューウエストミンスターという駅で下車しました。


 ここニューウエストミンスターは、実は1859年より約10年間、ブリティシュコロンビア州の州都
が置かれていた所です。 今日では政治的役割をヴィクトリアに譲っていますが、かつてフレー
ザー川を中心とした水運で栄えたこの街は、古き良き時代のカナダの面影を今に伝えていま
す。


 リバーサイドエリアには、どこか懐かしさを感じさせる大きなパドルボート(外輪船)が、カジノボ
ートとして係留されていました。






快適なスカイトレイン




ニューウエストミンスターのカジノボート





 川を背にして坂を上がり、ロイヤルAve.に出
ます。そこに建つのが「アービング・ハウス」。


19世紀末のスコットランド移民の家を忠実に復
元したミュージアムです。





 館内には当時使われていた什器・備品はもち
ろん、航海で使われた数々の船内品などが展
示されており、大変興味深かったです。






 ガイドを務めてくれたボランティアの御婦人
も、伝統的なスコティッシュスタイルの衣装を身
にまとってくれているので、ちょっとしたタイムス
リップ気分も味わえました。


アービング・ハウス



 ガイドさんにお礼を言ってミュージアムをあとにし、再びスカイトレインに乗ってバンクーバー
へ戻ります。


 スタジアムという駅で下車し、ダウンタウンへ。東京ドームに良く似た「BCプレイス」を横目で
眺めつつ、着いた所がバンクーバー中央図書館。


 蔵書100万冊を誇るというこの施設は、単なる図書館というよりもコンプレックスな役割を果た
しています。一階部分にはギフトショップやカフェなどが建ち並び、利用者にとっては大変便利
です。筆者はここで市営バスの時刻表(無料)をゲットしました。やはり、現地で得られる情報源
ほど新しくて正確なものはありません。






東京ドームに良く似たBCプレイス




バンクーバー中央図書館



 翌日の行動スケジュールを組み立て、ユースに戻ります。キッチンで夕食のパスタを自炊して
いたところ、メキシコから来たというグループと意気投合。お互いに造った食べ物を交換するな
どして楽しく過ごすことが出来ました。