6月25日 バンクーバー





<第六日>


 前日に引き続き、バンクーバー近郊の散策に出かけます。曇り空の下、AM9時頃出発。ユ
ースから程近いガスタウンで、この街の開拓に尽力したという「ギャシー・ジャック」と、アンティ
ークな造りが旅行者の目を引く「蒸気時計」を記念撮影。


 ここバンクーバーは英国の経済系出版社が行うリサーチで毎年のように「世界一住みやすい
街」に選ばれており、ここガスタウンを基点に発展していったとの事です。


 オリンピックの開催を3年後に控えた今日でも、ここが街の中心であることにはなんら変りが
ありません。






「ギャシー・ジャック」の像




蒸気時計


 昨日同様、ウォーターフロントの駅に向かい
ます。しかしこの日は電車には乗らず、シーバ
スに乗ってノースバンクーバーへ。このシーバ
スは渋滞緩和のために1977年より運航が開始
されたもので、文字通りバラード入江という海
の上を行きます。今ではすっかり市民の足とし
て定着しています。






 わずか10数分のミニクルーズを終え、ノース
バンクーバーのバスターミナルより路線バスに
乗車。ここノースバンクーバーはまさに自然の
宝庫ともいっていいエリアで、大都市に隣接し
ているにもかかわらず様々なアクティビティを
楽しむことが出来ます。


シーバス



 そんなノースバンクーバーの中で、この日、筆者が向かったところがリーンキャニオン・パー
ク。バスを下車し、公園入り口に程近いエコロジーセンターで地図を入手。早速ネイチャートリ
ップを楽しみます。歩き始めてすぐのところにあるのがサスペンションブリッジ(吊り橋)。なんと
20階建てのビルと同じ高さに架かっているとの事。目もくらむような高さですが、橋上から眺め
る渓谷の美しさは抜群です。


 吊り橋を渡り切り、トレッキングコースを突き進みます。途中、きつい坂や昇り階段などがあり
ましたが大自然から発せられたマイナスイオンパワーを受け、何とか歩き終えることが出来ま
した(しかし筆者が歩いたのはほんの初心者コースで、パーク内には丸一日を費やす本格的コ
ースもあるとの事。カナダのスケールの大きさを感じずにはいられません)。






サスペンションブリッジ(吊り橋)




素晴らしい渓谷美





スタンレーパークのトーテムポール




 リーンキャニオンをあとにし、再びバスとシー
バスを使ってバンクーバーのダウンタウンに戻
ります。





 食事休憩を挟み、向かったところがスタンレ
ーパーク。


 イングリッシュベイに突き出た所に位置する
この公園は総面積約400haを誇ります。



 入り口にて自転車を借り、ペダルを漕いで園
内へ。この公園のシンボルともいえるトーテム
ポールが、筆者をやさしく出迎えてくれました。



 その後は風を切ってサイクリング…といきたいところでしたが、園内は存外傾斜がきつかっ
たです。汗ダクになりながら到着したところが、園内の最北端に位置するプロスペクトポイント。
ノースバンクーバーへとかかるライオンズゲートブリッジが目の前に迫っていました。


 遥か北方にはカナディアンロッキーの外郭をなすコースト連山の美しい山並みを望むことが
出来ます。素晴らしい景色を眺めながらビールでノドを潤す筆者。汗をかいた後のビールの味
はまた格別でした。






ライオンズゲートブリッジ




コースト連山の山並


 小休止を終え再びサドルに跨ります。美しい砂浜が広がるセカンドビーチに立ち寄った後、
着いた所がロストラグーンという小さな湖。ここは野鳥や小動物たちのパラダイスです。しばらく
水辺付近を走っていると野生のタヌキに出くわしました。かなり慣れているらしく、人が近寄って
も全く恐れません。中には立ち上がるヤツなどもいてその姿はとても愛くるしかったです。

 日本では以前、動物園のレッサーパンダが立ち上がって随分と話題になりましたが、ここで
はタヌキが立った位では誰も驚かないようです。






セカンドビーチにて




ロストラグーン付近で見かけたタヌキ





←中にはサービス精神旺盛で(?)
  立ち上がってしまうものもいます


 タヌキたちに別れを告げ、レンタサイクルショップに急ぎます。返却しなければならない時刻
が迫っていたのでした。またしても汗まみれになる筆者…。ノンビリとサイクリングを楽しむつも
りが、まるでタイムトライアルのようになってしまいました(^^;





 何とか無事に返却し、ユースへと戻ります。夕食をとり、陽も暮れる頃再びシーバスに乗って
ノースバンクーバーへ。そして船を下り、港近くの公園に向かいます。


 公園からは、バラード入江を挟んで大都市バンクーバーの見事な夜景を望むことが出来ま
す。その光景は、三夜を過ごしたこの都市でのラストナイトを飾るに相応しい、とても素晴らし
いものでした。




バンクーバーの夜景