7月20日 香港〜マカオ〜香港





<第二日>


 ホテルを出発し、香港の街歩きをリスタート。道路上に張り出す、各種店舗の巨大な看板
は、香港の顔と言ってもいい存在。この街が持つ、桁外れのエネルギッシュさを象徴していま
す。


 古いビルの間から時折顔を覗かせる超高層ビルも、もはやこの街の代名詞となりつつありま
す。




道路に張り出す大看板




古い建物の間から顔を覗かせる超高層ビル


 

 シティ・ウォッチングを楽しみながら、向かったところがフェリーターミナル。ここから船でマカ
オに渡るためです。チケットは準備良く、昨夜のうちに購入を済ませておきました。パスポート
コントロールにて出国審査を受け、乗船開始。この日は日曜日とあって船内は満員の大盛況。
指定された席に座るとすぐに船は出発。波の少ない穏やかな海面を滑るように進んで行きま
す。ゆっくりとする間もなくマカオに到着。素早く下船し、今度は入国審査を受けますが、同じ中
国国内にもかかわらず、パスポートチェックを受けなければならないところに多少の違和感を
覚えました。


 港からは、停留所に停まっていたバスに飛び乗りマカオの中心街へ。ここマカオはパタカとい
う通貨を採用していますが、香港の通貨である香港ドルがそのまま使用できました。


 ここマカオに、ポルトガル人が居住権を得たのが今から何と450年以上前の1557年。その
後、1887年に正式にポルトガル領となり、中国へ返還される1999年まで「アジアの中の欧州」と
して存在してきました。


 そのため、現在でも街の至る所で"ヨーロッパの風景"に出会うことができます。バスは10分
程でマカオの中心地であるセナド広場へ到着。パステルカラーのコロニアル建築物が、青空の
下、エキゾチックな雰囲気を醸し出していました。




エキゾチックな雰囲気のセナド広場にて




 食事休憩を挟み、セナド広場を中心に散策を楽しみます。広場の南に位置するのが、1583
年竣工という民政總署(リアル・セナド)。マカオ市評議会として用いられているこの建物は、中
庭の造形が美しいことで有名です。一隅にはポルトガルの国民的詩人、ルイス・デ・カモンエス
の胸像がひっそりと建てられていました。





民政總署(リアル・セナド)




国民的詩人 ルイス・デ・カモンエス



 広場の北に歩を進めます。土産物屋が軒を連ねる坂道を上がっていくと、丘の上に見えてく
るのが旧聖ポール大聖堂。17世紀に建てられた歴史的な建築物ですが、1835年の火災で多く
の部分を消失してしまいました。現在も残る正面部分だけが、往時の荘厳な姿を今に伝えてい
ます。ちなみに2階部分に設けられている銅像の向かって左から二人目が、イエズス会の創始
者であるイグナシオ・デ・ロヨラ、そして右から二人目が日本にキリスト教を伝えたことでその名
を残す、フランシスコ・ザビエルだそうです。




旧聖ポール大聖堂





 ここからはさらに坂を登り、モンテの砦へ。ここは17世紀初頭に造られた要塞の跡。今も据え
付けられた大砲が海を睨んでいます。かつて1622年には、マカオ侵略を試みたオランダ艦隊
を見事に退けたという、輝かしい歴史を持っています。


 さらに筆者は、砦に隣接して設けられたマカオ博物館を見学。古代から現代まで、この地が
辿ってきた激動の歴史に触れました。また、ここが冷房の効いた屋内施設であったということも
有り難かったです。





モンテの砦




充実した展示が自慢のマカオ博物館



 充分に休憩を済ませ、街歩きを再開します。ピンク色の外観が特徴的なマカオ政庁(旧総督
府)を見やりつつ、さらに歩を進めると、見えてくるのがマカオタワー。2001年に完成したという
このタワーは、世界で10番目の高さを誇るそうです。新旧の建物が見事に調和しているという
のも、この街の特徴のひとつですね。





派手な外観が特徴的な



マカオ政庁(旧総督府)




マカオの新しい顔・マカオタワー



 また、夕闇が迫るとこの街はさらにもうひとつの顔を見せてくれます。色とりどりのネオンが美
しいカジノ街。マカオは言わずと知れた世界有数のギャンブル・シティです。ここで運試し、とい
きたい所でしたが、残念ながら今回は時間がありません。筆者は香港行きのフェリーに乗るた
め、来た時同様、再びバスに飛び乗らなければなりませんでした…。




夕闇迫るマカオのカジノ街