![]() 10月17日 ドバイ→ムサンダム→ドバイ
<第六日>
近代的なドバイの街を過ぎると、砂漠地方特有の殺風景な景色が広がってきます。ここUAE
は、7つの異なる首長国からなる連邦国家です。シャルジャ、アジマン、ウム・アル・カイワイ ン、ラス・アル・ハイマといった小規模な首長国を一気に走り抜け、バスはオマーンとの国境 へ。ここで全員バスから降ろされ、出入国審査を受けます。オマーンの国境検問所の建物がア ラビア風の造りをしていたのが印象に残りました。 ホルムズ海峡に突き出したここムサンダム半島は、オマーンの本土とは直接地続きになって
いない飛び地です。UAEのフジャイラ首長国がその間に入っていますが、このように複雑な国 境線になったのはそれこそ複雑な歴史的な背景があったからだそうです。 オマーン、UAEともどもかつてはイギリスの植民地となっていたのですが、それより以前にオ
マーン国王が直接支配していた地域が現在のオマーンとなり、残った所、つまりオマーン国王 の力が及ばず各首長の支配が強かったところがUAEとなったとの事。ここムサンダム半島は、 ペルシャ湾を扼す重要な位置にあるところから、国王が特に力を入れて支配をしていたのだそ うです。 ムサンダムに入るとすぐに、それまで比較的単調だった道は一気にワインディングロードへと
化します。車窓からは濃紺のペルシャ湾を望むことができます。入江に面して建つモスクも、独 特の風情を感じさせてくれました。
やがてバスは、ハッサブという街にある港に到着。筆者たちツアー客一行はここでバスを降
り、ダウ船という船に乗ってクルージングを開始します。荒々しい岩肌が、そのまま急角度で海 に落ち込んでいることに加え、海岸線が複雑に入り組んでいることから、この辺りは「中東のフ ィヨルド」と呼ばれ、親しまれているそうです。
このクルーズでは、シュノーケリングやランチタイムを挟んでのドルフィン・ウォッチングなど、
心行くまでマリンリゾートでのアクティビティを楽しむことができました。とりわけ、野生のイルカ を間近に見ることができたことには感動を覚えました。 ![]() ドルフィン・ウォッチングは今回のクルーズのハイライト 夕刻、ペルシャ湾での素晴らしい一日を終え、帰路に。来た時同様、国境の検問所にて車を
降ります。西の空には、つい先程まで灼熱の大地を照らしていた太陽が、あたかもペルシャ湾 に吸い込まれていくかのごとく、ゆっくりとその姿を沈めつつありました…。
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