10月20日 ダブリン⇔グレンダーロッホ

 
<第二日>


ホステルより徒歩で街の中心部へと向かいます。


ここダブリンは、街を東西に貫くリフィ川を中心に発展してきました。

そのリフィ川沿いに立つ、ドーム型の屋根が特徴的な建物がフォーコーツ。

かつて4つの裁判所の法廷があったことからこの名が冠せられたそうです。

19世紀初頭の建築ですが、1922年のアイルランド内戦で大きな被害を受け、その後再建されたとのことです。



▲リフィ川沿いに建つフォーコーツ

▲クライストチャーチ大聖堂

 フォーコーツからはリフィ川を渡り、クライストチャーチ大聖堂へ。

ロマネスク様式のこの教会の歴史はたいへん古く、11世紀に最初の教会が建てられたそうです。

穏やかな朝日を浴びて佇むその様は実に神々しいと思いました。

 

 さらに筆者は歩を進め、市内の繁華街であるテンプルバー地区へ。日曜日の午前中とあって、人通りが

あまり多くありませんでしたが、歴史を感じさせるホテルやバーが建ち並ぶ独特の雰囲気は、夜はこの辺りで

ビールでも・・・と思わせてくれずにいられません。

夜を楽しみに待ちながら、ダブリンの街歩きを続けます。


▲テンプルバー地区へ

足を運ぶ

 次に向かったところがダブリン城。円筒型の大きな物見塔が特徴的なこの城塞は、建造された13世紀初頭

以降、数世紀に渡ってイングランドによるアイルランド支配の象徴であったそうです。

 両国間に横たわる難しい歴史の一コマを垣間見つつ、聖パトリック大聖堂へと足を運びます。

 青空にスラリと伸びた尖塔が美しいこの大聖堂は、アイルランド最大を誇る同国国教会の大聖堂。内部の

雰囲気はとても荘厳であり、ステンドグラスも印象的な淡い光を放っていました。

この地を代表する作家の一人であるジョナサン・スイフト(代表作「ガリバー旅行記」等)の墓もありました。



▲ダブリン城

▲聖パトリック大聖堂

▲大聖堂内のステンドグラス

▲ジョナサン・スイフトの墓標

 その後は市民の憩いの場として知られる大きな公園・セントスティーブンスグリーンの緑を見やりつつ、

ダブリン随一の繁華街・クラフトンストリートをそぞろ歩きます。

 伝説の魚売りの娘、モリー・マローンの像の前では大勢の観光客が記念撮影を楽しんでいました。


 ストリートをそのまま歩くと、やがて神殿のような趣きの立派な建物が姿を現しました。18世紀に建てられた

というアイルランド銀行です。敷地には大砲なども並べられ、さながら博物館のような雰囲気でした。

 また、アイルランド銀行の向かい側に建つ建物が、アイルランド最高学府として知られるトリニティカレッジ。

歴史的な蔵書をかかえる図書館が有名ですが、キャンパス内は旅行者でも気軽に散策できるところが有難いです。



▲セントスティーブンスグリーン

▲クラフトンストリート

▲モリー・マローンの像

▲アイルランド銀行

▲敷地内には大砲が

▲トリニティカレッジ

 カレッジからは、食事休憩を挟みつつ、再びリフィ川を渡ります。川沿いに建つ税関の優雅な姿が印象的。

 この辺りはダブリンの政治・経済の中心ですが、先程のアイルランド銀行をさらに大きくしたような建物が

中央郵便局。ここは1916年、イングランドからの独立を目指し、義勇軍が反乱を起こした「イースター蜂起」の

中心地となったところです。

 反乱は鎮圧され、首謀者は処刑されたそうですが、この反乱によってアイルランド独立の機運が高まったこと

は言うまでもありません。



▲税関

▲アイルランド独立の舞台となった中央郵便局

 この国の歴史にふれた後、筆者はとあるバスツアーに参加しました。

中央郵便局近くのバス停より、ダブリン南部を訪れるツアーです。この日は日曜とあって、車内はなかなかの

賑わいでした。

 1時間半ほどで、目的地であるグレンダーロッホの遺跡に到着。

ここはなんと6世紀以降、アイルランドにおけるキリスト教の聖地として栄えたところです。トンガリ屋根が特徴的な

古い石造りの塔がランドマーク。

 ビジターセンターも併設され、興味深い展示物やムービーを見ることはもちろん、絵葉書などのちょっとした

お土産なども買うことができて有難いと思いました。



▲グレンダーロッホの遺跡に佇む教会

▲ビジターセンター内の展示

 一通り予備知識を仕入れた後、遺跡へと足を踏み入れます。

小ぢんまりとした歴史を感じさせる聖ケヴィン教会が曇り空の下ひっそりと建っていました。

 ケルト文化の象徴ともいえる、ハイクロスの墓標(十字架に円を組み合わせたもの)が、この地のもつ独特の

「もの悲しさ」を一層と際立たせています。



▲ハイクロスの墓標は

ケルト文化の象徴

 柄にもなく、ちょっとセンチメンタルな気分になった筆者でありました。



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