10月25日 リスボン⇔シントラ


<第七日>


 リスボン観光二日目のこの日は、まずホテル近くのカフェにて朝食。

ポルトガルといえば、やはりこのエッグタルト。カスタードクリーム入りの甘いお菓子ですが、苦いブラックコーヒー

との取り合わせが絶妙です。

正式名称はパステル・デ・ナタといい、ジェロニモス修道院の修道女たちによって作られたものが最初だそうです。



▲ポルトガル名物・エッグタルト

▲ロシオ駅

 腹ごしらえをすませ、ロシオ駅へ。近郊電車に乗って、郊外を目指します。

約40分にて終点のシントラ駅に到着し、バスに乗り換えます。

 この日最初の目的地は、山の上に築かれたペーナ宮殿。19世紀にたてられたこの宮殿は、様々な建築様式が

採り入れられており、外観もとてもカラフル。内部の装飾や調度品も、さすが王室の夏の離宮として使用されて

いただけあって、立派です。



▲ペーナ宮殿

▲二本の煙突が特徴的なシントラ宮殿

 次に向かった所が、丘を下ったところにあるシントラ宮殿。15世紀の創建と伝えられるが、外観はかかつてイスラム

教徒がイベリア半島を支配していた時代の影響を受けた「ムデハル様式」という造りです。

(尚、ポルトガルのイスラム勢力は13世紀半ば頃、「レコンキスタ(=国土回復運動)」によって駆逐されてしまった

そうです。)

 白い壁と二本の長い煙突が特徴的であり、先程訪れたペーナ宮殿に比べて実用的な感じに見受けられます。

しかし、中庭の造りなどは大航海時代の名残なのか、小さいながらも見事でした。

宮殿巡りを楽しんだ後は、シントラ駅に戻り、サンドウィッチにチップスの軽いランチを済ませ、403番のバスに

乗り込みます。

 バスに揺られること約35分、筆者はついにユーラシア大陸の最西端であるロカ岬に到着しました。

有難いことに、天気は快晴。岬の突端には十字架を戴く石碑が建てられていました。目の前に広がる真っ青な

大西洋と、石碑の上の真っ白な十字架とのコントラストが絶妙です。



                       ▲ユーラシア大陸最西端・ロカ岬



▲大西洋の荒波が打ち付ける

▲カモンエスの碑 「ここに地果て、海始まる...」

 石碑に刻まれたポルトガルの国民的詩人、ルイス・デ・カモンエスの叙事詩の一節である「Onde a terra acaba

e o mar come?a(ここに地果て、海始まる)」の文字が、ついに地の果てに立ったことを、強く印象付けてくれました。

また、岬近くの売店にて土産物を購入がてら、「ユーラシア大陸最西端到達証明書」を発行してもらい、旅の記念と

しました。

 ロカ岬からはバスにてカスカイスへ。海に面するこの街はちょっとしたリゾート地であり、機会があれば是非じっくりと

過ごしてみたい場所でした。

 カスカイスからは近郊列車に乗り、リスボンへと戻ります。街をそぞろ歩きしていたら、たまたま路面電車の車両基地

を発見しました。小さな電車たちが、いまだに市民の足として立派に一国の首都で活躍している姿はほほえましいと

思いました。このなんとものどかな感じの乗り物は大好きです。



▲カスカイス駅にて

▲リスボンで路面電車の車両基地を発見!

 そうこうしているうちに夕食時になったので、一件のレストランに入ります。

今夜のディナーはタコの入ったライス。日本もポルトガルも、互いに海に面した国同士、魚介が多く食べられています。

筆者がこの国に親しみを覚えるのも、やはり食文化の共通点が多いからでしょう。

 そういえば、テンプラやカステラもポルトガルから伝わったものだと何かの本で読んだことを思い出しました。

この旅最後の夜に相応しい充実したディナーを楽しみ、筆者は帰路につきました。



▲タコ入りライス

▲ビールもお忘れなく



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